ENOSHIMA YACHT CLUB
NEWS & TOPICS
EYC通信 #31

随筆「海の言葉」㉖“KNOT”と“MILE”

“KNOT”と“MILE”

船の速力は通常“KNOT”「ノット」で表されます。“1KNOT”とは、一時間に“1MILE”を航走する速力ですから、“――–KNOTS PER HOUR「一時間……ノット」の様な表現は誤りであります。また、どういうわけか船乗り仲間では「速力……マイル」という言い方をすることが多いのですが、これは逆に「一時間当たり」を省略した形です。

“MILE”「マイル」は、ラテン語の“MILLE PASSUS“から出た、距離の単位です。“MILLE”は「1,000」です。“PASSUS”は元来は「歩幅」ですが、この場合は約「5 feet」で、“MILLE PASSUS”は約1.5㎞であったとされております。現在一般に使われている“MILLE”は「哩」“LAND MILE”で、「1.609m」ですが、船や航空機では「浬」“NAUTICAL MILE”(別名“SEA MILE”又は“AIR MILE”)を使います。“NAUTICAL MILE”は、地球表面の緯度「一分」即ち「1/60度」に相当する長さで、厳密に言えば場所によって僅かながら異なりますが、標準値は「1.852m=6,080 feet」とされております。但しこのように確定されたのは比較的最近のことで、16世紀までは「1MILE=5,000 feet」あったのが、17世紀の初めの実測により「1MILE=6,120 feet」に修正されたとのことです。

船の対水速力を計るために、昔は“HAND LOG”が使用されました。これは長い「ロープ」“LOG LINE”の先端に、「木片」“CHIP”をつけて船尾から流し、一定時間にどれだけの長さの“LOG LINE“が「繰り出され」たかによって速度を測定する仕組みです。時間を計るには、専ら「砂時計」“SAND GLASS”が用いられました。船内には「4時間計」、「1時間計」、「30分計」、「30秒計」、の四種類の砂時計が常備されており、「30秒計」は速度測定用でした。一時間当たり「一浬」即ち「5,000 feet」とすれば、30秒では「42 feet」になります。「42 feet」は、丁度「七尋」「7 fathoms」です。“fathom”は、人間が両手をひろげて計るには都合の良い長さなので、“LOG LINE”には「42feet」ごとに“KNOT”「節」のマークが付けられました。30秒の間に、この“KNOT”がいくつ繰り出されたかによって速力を読み取ったので、その単位が“KNOT”と呼ばれたのです。

ところが、前に述べたように、17世紀の初め頃に「1 MILE」が「6,120 feet」と修正されたため、“KNOT”の測定方法も変更せざるを得なくなりました。単純に考えれば、“KNOT”の間隔か、あるいは計測時間のどちらかを修正すればよいのですが、どうゆうわけかこの両方を併せて修正してしまったのです。“KNOT”の間隔は「47feet 3 inches」という、誠に中途半端な長さとし、しかも実際には“LOG LINE”の伸びを見込んで「46 feet 8 inches」にマークを付けました。砂時計も「28秒計」に変えたのですが、実際には「14秒計」を使用することが多かったそうです。

NEWS & TOPICS一覧へ

JOIN US

江の島ヨットクラブにご興味のある方は、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

江の島ヨットクラブ 〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島1丁目12-2 Google Map

0466-22-0261

If you are interested in Enoshima Yacht Club, please feel free to contact us.

ENOSHIMA YACHT CLUB 1-12-2 Enoshima Fujisawa-shi Kanagawa Japan ZIP:251-0036

PHONE:+81(0)466-22-0261
FACSIMILE:+81(0)466-23-2378