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EYC通信 #65

随筆「海の言葉」㊼“SHORT”

“SHORT”

“SHORT”は「短い」ことで、“LONG”「長い」の反対語です。
“SHORT BLAST”は汽笛の「短声」で、“LONG BLAST”「長声」
と対応します。
“SHORT SPLICE”は、最も簡単で一般的な“SPLICE”「ロープの組み継ぎ」で、“SPLICE”した部分の長さが比較的短いことから、こう呼ばれます。但し“SPLICE”の部分が本来の太さより太くなる欠点があり、滑車に通すロープの場合には“LONG SPLICE”の手法が用いられます。

船が“ANCHORING“ 「錨泊」する場合、“CHAIN”「錨索」を水深の3倍ぐらいの長さに繰り出すのが常識とされております。
出帆準備のため、“CHAIN”を水深の1.5~2.0倍ぐらいに縮めた状態を“SHORT STAY”「近錨(ちかいかり)」と呼びます。
これと逆に、荒天などのために“CHAIN”を特に長く伸ばした状態は
“LONG STAY”「遠錨(とおいかり)」と呼ばれます。
この場合の“STAY”とは、「停泊」の意味ではなく、艇を海底に「支持」することなのでしょう。
帆船では、“CHAIN”の角度が“SHORT STAY”では、“FORESTAY“
「前檣支索」の角度に等しく、“LONG STAY”では“MAIN STAY”「主檣支索」の角度と同じだったと申します。

長さではなく、重量単位の「トン」にも“SHORTTON”と“LONGTON“
があります。
前者は米国式で、2,000lbs.即ち907kgs。
後者は英国式で、2.240lbs.即ち1.016kgsです。

“SHORT“には「不足」「不十分」の意味もあります。
荷物を積む時に貨物が足りないのが“SHORT SHIPMENT”。揚荷の時に屯数や個数が不足すれば“SHORT DELIVERY”となります。
荷物の受け渡しの時に、本船側が数えたのと荷主側が数えたのが、違う場合には、“SHORT IN DISPUTE”とか、“OVER IN DISPUTE”になり、あらためて数え直します。
よく「燃料不足」を“SHORT BUNKER”と言いますが、これはどうも日本製の英語のようです。

“SHORT SEA”には二つの意味があります。
ひとつは、いわゆる「三角波」で、波高に比べて波長が短いので、このように呼ばれます。この場合の“SEA”は、「海」では無く「波」であることにご注意ください。
もう一つの“SHORT SEA”は「近距離」の海域、即ち「近海」のことです。元来は英国や欧州諸国を中心として、ボルチック海から英仏海峡あたりの海域を指すことが多かったようです。
”DOMESTIC”「内航」や“COASTAL”「沿岸」とは異なり、国際航海ではありますが、「遠洋」“DEEP SEA”,“OCEAN”に比べて近い水域と言うことでしょう。
日本では、東南アジア水域を「近海」と呼び、俗に“NEAR SEA”と訳していますが、これはどうも和製英語のようです。ちなみに、船舶法の「近海区域」は正式には“GRATER COASTING”と訳されております。

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