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EYC通信 #4

随筆「海の言葉」③”HARBOR”

CHAPTER3“HARBOR”

“HARBOUR”

“HARBOUR”と“PORT”とは、いままでは全く同じように「港」を意味する言葉ですが、語源や昔の使い方などからみると、この二つはかなり意味合いが違っております。

“HARBOUR”は古代英語の“Here”(army)と“Beorg”(Shelter)が結びついた言葉で、“army-shelter”つまり「軍隊をかくまう場所」が原意であります。
従って「港」といっても、大会の波や強風から船を守るための“SHELTER”であり、「安全な停泊場所」「避難港」ということになります。
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“HARBOUR”は、動詞としても使われますが、この場合には「かくまう」「隠匿する」あるいは「(邪心を)抱く」など、いわば「悪い感じ」があります。
古くは、もっと広い意味で、「客として迎える」とか「もてなす」場合にも使われていたのですが、たまたまある時代の「犯罪者隠匿を禁止する布告」に“HAEBOUR”の語が使われたため、それ以後は専ら悪い意味だけになってしまったとのことです。
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もっとはっきり「避難港」を指す言葉としては“HAVEN”があります。最近の世界の流行として、小さな国々が、外国企業を誘致するために、法人税の軽減や免除を行う例が多くなっております。
このような国を“TAX HAVEM”(タックス・ヘイブン)つまり「税金からの避難場所」と呼ぶのですが、日本の新聞などでは、誤って「タックス・ヘブン」“TAX HEAVEN”など度夏季、ご丁寧に「脱税天国」と訳しております。
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空港や駅で、手荷物を運んでくれる人を“PORTER”と呼びます。
「持ち運び可能なもの」は“PORTABLE”です。
“IMPORT”,“EXPORT”,“TRANSPORT”などのように、“PORT”には「輸送する」という意味が含まれております。
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古代ローマでは、城壁を築く工事をするときは、その城壁の予定線を足でまたぐことは絶対に禁止されておりました。縁起を担ぐことは、古今東西を問わないようですね。
そこで、工事をする人たちは、道具や資材を運ぶ時には、必ず城門が予定されている場所を選んで通らねばならず、この「運ぶ」“PORT”から“porta”(門、戸)や“portus”(港)という語が生まれたと申します。
つまり、“PORT”は、昔から貨物や旅客を積み降ろしるための「商業港」のこことであり、同時に修理や物資の補給などの設備を備えたところであったのです。
この点で、船の安全な停泊を第一とした“HARBUOR”とは、いささかおもむきが異なっております。
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港湾都市の名前には、“HARBOUR”や“PORT”がつく例が沢山あります。
“HARBUER”の系列では、ドイツの“BREMENHAVEN”、デンマークの“COPENHAGEN”など。 “PORT”の変化したものには、ドイツの“FRANKFURT”や、英国の“OXFODE”などがあります。

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