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EYC通信 #6

随筆「海の言葉」④“スト”

CHAPTER4“STRIKE”

「スト」

「スト」と言えば、誰でも「ストライキ」つまり「同盟罷業」を考えます。英語では“STRIKE”ですが、“WALK OUT”とも言います。
“STRIKE”という語は、色々の意味に使われます。
大まかにいえば、「叩く」「打つ」の類の意味が多く、例えば「(敵を)攻撃する」、「(時計が)鳴る」、「衝突する」などがあり、更に抽象的に「印象を与える(STRIKING)」や“to strike people with terror”「人々を恐怖におとしいれる」などとも使われます。

野球の場合は「ストライキ」では無く、「ストライク」と発音しますが、これはもともと“STRIKE OUT”(これは、なぜか「ストラックアウトと発音」「投手が打者をやっつける」から出た言葉で、ルールによれば、“STRIKE OUT”とは、“THREE STRIKES”であるとされているので、「好球」の一つ一つを“STRIKE”と呼ぶことになったようです。
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この様に言うと、「同盟罷業」も、労働者が使用者を「やっつける」のだから“STRIKE”だろうと思われるでしょうが、そうではありません。“FLY A FLAG”「旗を揚げる」の逆が、“STRIKE A FLAG”で、
「旗を降ろす」ことであり、同時に「降伏する」ことにもなります。日本語でも、降参することを「旗を巻く」と言いますが、同じような表現です。帆船時代には、“to strike a sail”は「帆を降ろす」ことで、やはり「降参する」ことも意味しました。「やっつける」と「降参する」とでは、まるで逆です。
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18世紀の頃、英国のある港で、船員の一団が不平不満に耐え切れず、徒党を組んで在港船の出航を妨げた事件がありました。
どうやって妨げてかと言えば、“STRIKE THEIR YARDS”つまり“YARD”「帆桁」を「引き降ろした」のです。
この事件が「同盟罷業」の始まりで、同時に「ストライキ」の語源とされております。
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「ゼネスト」では無く、「全スト」と言えば、「ストリップショー」の一種です。
これは、正しくは“STRIP TEASE”で、踊りながら着物を一枚づつ脱いでゆくことです。その「踊り手」は“STRIPPER”と呼ばれます。
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“STRIP”は、元来は「(外皮などを)むくこと」或いは「むいたもの」のことで、結構色々と使われる言葉です。
“STRIP MINING”は、「露天掘り」です。「坑道」などは掘らずに、ただ地表のものを掘り返すだけです。
船を“STRIP”すると言えば、“EQUIP”の逆で、索具や艤装品を取り外すことです。ヨットやモーターボートで、余分な装備を省略し、極力軽量化を計ることを“STRIP OUT”と言います。
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タンカー揚荷の最終段階では、荷役の時より一回り小さい「残油管」“STRIPPING LINE”や「残油ポンプ」“STRIPPING PUNP”が使われます。
これは「涸れかけた油井」“STRIPPER”から出た言葉なのですから、“STRIPPER LINE”とか“STRIPPER PUNP”が正しいのでしょう

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