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EYC通信 #22

随筆「海の言葉」⑱“CHAIN”と“CABLE”

“CHAIN”と“CABLE”

“CHAIN”とは、鉄などで作られた“LINK”「環」が連続してつながっている「連鎖」のことで、本船で“CHAIN”とは、専ら“ANCHOR CHAIN”「錨索」を指します。“ANCHOR CHAIN”は、“CHAIN”の「よじれ」即ち“KINK”を防ぐために、“LINK”が長円形で、中央部が“STUD”「環柱」で仕切られている、“STUD LINK CHAIN”「有環柱鎖」です。

“CHAIN”は「連鎖」ですから、普通は単数型なのですが、複数の“CHAINS”にすると特殊な意味になります。日常語で“IN CHAINS”は「獄につながれて」です。海事用語では、“CHAINS”は“CHAIN PLATE”、即ち“STAY”「静索」を甲板上に繋ぐ部分を指します。帆船で測深鉛を投げるための張り出し台も“CHAINS”と呼ばれました。

陸上の測量用語では、“LINK”や“CHAIN”が長さの単位に使われております。例えば、“GUNTER`S CHAIN”と言う単位では、1 CHAIN=100LINKS=66feet(20m)1MILE =80CHAINS=5,280feet(1.609m)となっております。日本工業規格(JIS)では、本船の錨鎖は一鏈が27.5mと定められており、鏈と鏈とは“SHACKLE”でつなぐところから、一鏈の長さを“ONE SHACKLE”とも言います。

本船では、“ANCHOR CHAIN”のことを“CHAIN CABLE”とか、単に“CABLE”とも呼びます.「電話ケーブル」や「ワイヤーケーブル」のように“CABLE”は、本来は「太い綱」であって「鎖」ではありません。帆船時代の中頃までは、船上で最も太い綱は当然“ANCHOR CABLE”「錨綱」でありました。英国海軍の基準では、英国産最上品の“BRIDPORT HEMP”が使用され、その太さは船幅1foot当たり外周0.5インチとされておりました。ネルソンの旗艦“H,M,S,VICTORY”は船幅52feet(17m)でしたから、鎖綱は外周26インチ、直径208mmであったわけです。

この様な太い錨綱は、普通の「三ツ撚り(みつより)綱」“HAUSER-LAID ROPE”では間に合わぬので、「三ツ撚り綱」を三本左撚りに撚り合わせて作りました。これを“CABLE-LAID ROPE”と呼びます。一般には、外周10インチ以上の太さのものを“CABLE”と呼んだようです。英仏戦争による大量建造で、“BRIDPORT HEMP”も供給不足となり、大型船には次第に、“ANCHOR CHAIN”が使われるようになりましたが、その名称は依然として“CABLE”のまま今日に至っております。

本船で、短い距離を測るときに、“CABLE”と言う単位を使います。但しこれは「錨綱」の長さとは関係ありません。日本船で“ONE CABLE”と言えば0.1浬(185m=100fathoms)です。これは、英国やドイツと同じですが、アメリカは120fathoms=219m)フランスやスペインでは200m、ポルトガルでは258m、オランダでは225m、と国によって少しずつ長さが異なっているとのことです。

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