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EYC通信 #27

随筆「海の言葉」㉓“TON”

 「ひっかけ話」に「綿1キロと鉄1キロと、どちらが重いか?」と言うのがあります。これは綿が軽いもの、鉄は重いものとする常識にひっかけた質問ですが、うっかりすると鉄の方が重いと答えてしまいます。

 筆者が、船会社に入社して、最初に面食らったことは、1万トンの船に1万2千トンの雑貨が積めるという「事実!」でした。「1万トン」が「1万重量トン」だと言うことはすぐ判ったのですが、それでは「1万重量トン、即ち6千総トン」の船に、どうして「1万2千容積トン」の荷物が積めるのか、どうしても判らず、恥を忍んで先輩に聞いたところ、荷物の容積トンは40立方フィート、船の総トンは100立方フィートとのこと。全く船会社と言う所は、意味のない単位を使い分ける所だなと腹を立てたものでした。

 15世紀ごろから、船の大きさを示すのに、積み込むことができる荷物の量として、当時の主な荷物であったボルドー酒の樽数を使いました。これが、トン数の始まりだと言われます。この頃の樽は、重量が2,240ポンド、即ち1LONGTON、艙内積み付けに要するSPACEが40 -cft(立法フィート)でした。“TON”の語源は、樽を叩くと「トントン」と音がするからで、この点では、日本人も西洋人も共通な耳を持っているようです。日本で古くから使われた船の大きさは米の積み高で、例えば「千石船」は米を千石(約200キロトン)積むことが出来ました。明治になって、和船の容積の基準として、一石を10 cftとしたこともあるそうです。

 時代が進んで、酒樽よりも軽い種類の積み荷が増えると、今度は船艙の容積を示すトン数が別途必要になりました。これが、100 cftを1トンとするもので、現在では総トン数に使われます。
1970年ごろまで、在来定期船の雑貨の運賃は「WEIGHT(LONGTON)又はMEASURMENT(40 cft)いずれが多いトン数」で計算するのが国際的な習慣で、この「いずれか多いトン数」をFREIGHT TON(運賃トン)とも呼びました。艙内容積も40 cftを1トンと呼び、ほかのトン数と区別したいときにはspace tonとも呼びました。

 メートル法の普及につれて、今ではFRIGHT TONもWEIGHTの場合はMETRIC TON即ち1,000 kgsを、MEASUREMENTは立方メートル(M³)を使うようになりました。本船の“DEADWEIHT”や、船艙容積も同様です。FRIGHT TONでの重量/容積の比率が、昔はLONGTON/40 cftつまり、1,016kgs/1.135m³であったのが、メートル法のために、1,000 kgs/1,00m³になってしまったのは、「トントン」とは言えないのではないでしょうか。

 メートル法への移行が進んでいた頃、“TONNE”、“TONNES”と言う書き方を、一部で見受けました。これは、元来ギリシャ語のスペリングですが、METRIC TONであることを特に明確にするために使われたもののようです。便利な表現だと思うのですが、その後あまり普及していないようです。

参考資料:https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/fune/fune_16.html
(公財)日本海事広報協会 「海と船 なるほど豆事典」トン数のいろいろ
      

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